お知らせ・コラム

ここでは、対人コミュニケーションやスムーズな作業に自信がなかったりする学生さん向けに、アルバイトの選び方をご案内します。主に発達障害特性を持った学生さん向けにご紹介します。

夏休みなどの長期休暇は、はじめてアルバイトを体験するよいタイミングになります。はじめて応募する方にとって、どのような仕事を選ぶかというのは大きなハードルです。自分にあったアルバイトは、いくつかの選択基準によって探すことができます。①契約期間（単発/日雇い・短期・長期）、②職種、③勤務時間と曜日、④家からの距離、⑤時給などです。①から⑤は、優先すべき順に並べてみました。アルバイト自体には、就職の前に練習として、社会経験を積むという目的があるため、『短時間勤務で時給が高い』といった待遇面だけで選ぶことはおすすめしません。むしろ、取り組みやすさ、体験できる仕事の質、職場の人間関係などから選択することをおすすめします。

契約期間

大きく３つに分けることができます。

単発/日雇い

その日のみの契約であり、１日働けばその分のお給料がもらえる仕組みです。業務も単純なものが多く、人間関係のしがらみも少ないため、初心者にはおすすめです。応募サイトに登録すると、こちらの要件に合う仕事がある場合に連絡があり、都合が合うときに行く形式などがあります。仕事の種類や質が様々なので、よく確認して登録するようにしましょう。

短期

数日から１ヶ月程度の、あらかじめ終了期限が決められたアルバイトです。秋の収穫の時期限定や年末限定などがあります。単発/日雇いよりもハードルは少し上がりますが、その分まとまった収入を得ることができます。

長期

終了期限が決められていないアルバイトです。数年続くこともありますが、途中で辞めることもあります。応募する際には、少なくとも２～３ヶ月は継続する心づもりで応募するのがよいでしょう。授業の時間割等を考慮に入れる必要があります。中級者以上におすすめします。

職種

大学生のみなさんが比較的選びやすい職種を紹介します。

軽作業

郵便局の仕分けアルバイト、倉庫整理、食品加工などがあります。比較的初心者でもやりやすい仕事が多く、短期や日雇いの仕事もあります。短期と割り切り、職場のやり方を身につけて作業に馴染むことが求められます。初心者におすすめです。

農業・漁業系

佐賀県は、海苔の収穫や、田植えなど、季節限定のアルバイトがたくさんあります。短期で取り組みやすいですが、日中の外での作業が多いため、体力を必要とします。ある程度体力に自信がある初心者におすすめします。

家庭教師

大学受験を経験した直後の新入生は、まだ知識が豊富なため、重宝されることがあります。生徒とのコミュニケーションはもとより、保護者ともある程度のコミュニケーションが求められます。また、人のご家庭に入り込むため、少し負担になることがあります。

ドラッグストア/スーパー/レンタルビデオ

商品の補充やレジ打ちなどがメインの仕事になります。コミュニケーションに自信がない方には、お客さまの前に立たなくてもよい裏方のみの仕事もあります。中期～長期の仕事が多いため、大学に通いながらアルバイトをしたい方におすすめします。

コンビニエンスストア

商品の補充に加えて、調理やレジ打ち、簡単な接客など、求められる仕事はやや多岐にわたります。ただし、初心者向けにマニュアルがしっかり準備されています。「やり方さえ教えてもらえれば、ある程度お客さまとのやりとりも苦にならない」方におすすめします。

肉体労働

工事現場の補助や、引っ越し業者の手伝いなどです。まとまったお金が入りやすい分、筋力とスタミナを必要とします。アルバイトの後はかなり疲れることが多いため、講義に差支えることがあります。長期休暇中に限定して従事されることをおすすめします。

飲食店

飲食店での業務は、裏方での調理から、対面でお客さまの相手をする接客までさまざまです。個人営業の居酒屋などの飲食店は、複数のことを同時に進めることが求められます。小規模店では店長や他のスタッフとのコミュニケーションを前提としているため、自信がない方は避けた方がよいでしょう。ファストフード店やチェーン店などは、初心者向けのマニュアルがしっかりと準備されているところが多いです。いずれの場合も接客業では愛想よく笑顔で対応することが求められます。苦手な方にはかなりのストレスになるため、よく注意して選ぶ必要があります。

時給

佐賀県の最低賃金は１時間あたり792円（令和2年10月2日現在）、福岡県の最低賃金は１時間あたり842円（令和2年10月1日現在）となっており、、最低でもそれ以上の額が支払われます。最低賃金は地域によって異なります。職種によっても時給が変わりますが、同じ仕事でも早朝や休日に働く方が１００～２００円時給が高くなることがあります。家庭教師を除いて、時給で１，０００円を超えるところはあまりありませんので、初心者は時給よりも、職種、家からの距離、シフトの融通が利くか、などで選ばれることをおすすめします。

集中支援部門では、アルバイトに関して支援を必要としている学生さんの相談も実施しています。コミュニケーション・作業内容・環境などの視点から、あなたのアルバイトの適性を確認するためのチェックシートなども準備しています。是非ご活用ください。

また、発達障害特性を持った方は、"状況判断に迷う""ＮＯと言えない"といった特性から、ブラックバイトの被害に遭いやすいです。必ず専門のスタッフと相談しながら進めてください。アルバイトのトラブルで困ったときは、「労働条件相談ほっとライン（大学生活のための情報「知ってますか？」参照）」にご連絡ください。